本日は『THE BOOK OF THOTH』を楽書記。これはタロットではあるけれど、あくまでフランスの占い師であるエテイラさんが「トートの書」を元に創ったタロットなので、78枚ではあるもののカードの並びや通常あるカードがなかったりとズレがある。そのため、初めて買うタロットには不向きだし、これはあくまで別物として捉えた方が良いのではと思うほど。ちなみに、小アルカナ編はこちらからどうぞ。
カードの厚さやコーティングの感じは、最も多く手にするトランプ風味。なのでシャッフルしやすく、余程なことがない限り折れそうにない。解説書などはこの手のタイプによくある最低限の紙質で印刷され、英・イタリア・スペイン・フランス・ドイツ語でそれぞれ載っている。一つの言語だと12頁ほどの内容。こちらがすべての内容物。

早速、このカードで最も重要な歴史部分を訳してみる。
歴史
1783年から1787年にかけて、アムステルダムとパリで「Maniere de se recreer avec le Jeu de Cartes, nomees Tarot(タロットというカードゲームでリラックスする方法)」と題された5冊の小冊子が出版されました。著者は、ジャン・フランソワ・アリエット(1724年頃-1792年)のペンネームであるEtteilla(エテイラ)と名乗るカード占い師でした。彼は、タロットゲームは伝説の「トートの書」であると主張しました。これは古代エジプトにまで遡る魔術の書であり、そのページには世界の創造と人類の運命の秘密が記されていたと考えられています。彼によると、この本は紀元前2170年、メンフィスのアモン神殿で開催された魔術師たちの集会で作成されたとのことです。
また、彼はタロットの数字は数千年の間に完全に歪められてきたと主張しました。そこで彼は、タロットカードを本来の姿に復元しようと考え、1789年頃に『トートの書、あるいは78枚のエジプトのタロットカードによる偉大なゲーム』と題したデッキを設計させました。この作品から今日まで残っているのはほんの一握りのカードだけです。しかし1804年、エテイラの弟子であったメルキオール・モンミニョン・ドドゥセは、完全版を再び印刷させ『ル・グラン・エテイラ』と名付けました。その後数十年の間に、多くの教本が出版されました。少なくとも、ジュリア・オルシーニによる『ル・グラン・エテイラ、あるいは』『カードを選び、並べ、運命を予言する術』(パリ1840年)は記憶に残す価値ある夢のようなタロットです。
ドゥドゥセの78枚のカード全てが描かれていましたが、いくつか重要な違いがありました。例えば、1番のカードでは光ではなく混沌が描かれていました。15番目のカードでは、司祭の代わりに魔術師が描かれ、前にあるその机にはマネキンが置かれていました。21番では、邪悪な表情の髭を生やした男が四輪の戦車に乗っていました。上部と下部のキャプションは、各カードの占星術的な意味を示していましたが、さらに、描かれた主題の一部が側面に縦書きで示されていました。興味深いことに、21番は「アフリカの暴君」と題され、78番は「愚者あるいは錬金術師」と題されていました。
歴史家によって「グラン・エテイラII」と分類されたこのモデルから、「グラン・エテイラIII」と呼ばれるこのデッキが生まれました。タイトルやキャプションに至るまで、ロ・スカラベオによってオリジナルと全く同一の復刻版が作られました。このバージョンは1870年頃にフランスで「Grand Jeude Oracle des Dames(淑女たちの偉大なる神託ゲーム)」というタイトルで登場しました。以前のモデルとの最も顕著な違いは中世風の人物像です。しかし、一部の図像のシンボルも大幅に変更されています。例えば「プルデンス(No.12)」は持ち手に蛇が巻き付いた鏡を持つ少女の姿に「テンペランス(No.10)」は馬の手綱を持つ女性になっています。カードのキャプションはすべて変更されていません。
占いが伝統的な存在となれたのは、ジュリア・オルシーニの著書に由来することも強調されるべきです。これに触発された最も有名な占い師には、サミュエル・リデル・マザーズ、ジェラール"パプス"アンコース、アレイスター・クロウリー、ティルブス、そしてロドリゴ・テバニが含まれます。これらの著者は最近の研究や、以下に示される説明書の編纂者でもあります。
以上が「歴史」の訳、では早速、カードそれぞれの訳と通常のタロットだとどのカードに相当するか一緒に撮ってみた画像をお届け。

0. 78. LA FOLIE OU L'ALCHIMISTE(Folly):愚者あるいは錬金術師
FOLIE:情熱、創造性、狂気
正:奇抜さ、創造性、気楽さ
逆:無分別さ、愚行、社会関係の崩壊

1. LE CHAOS(Chaos):混沌
ETTEILLA:エッティラ18世紀フランスの占い師
LE QUESTIONNANT:質問者
正:忠誠心、外交、誠実さ、寛大さ
逆:力、自発性、機知に富むこと

2. LA LUMIÊRE(Light):光
FEU:情熱、力強さ、浄化、破壊
ÊCLAIRCISSEMENT:解明、霧が晴れる瞬間
正:団結、友情の説明
逆:不和、誤解、偽善

3. LES PLANTES(PLANTS AND BIRDS):植物と鳥
PROPOS:言葉、意図
EAU:水、浄化、変化
正:変化への欲求、遠出、奇妙な出会い
逆:無分別、盗難、ウイルス

4. LE CIEL(Heavens):天空
DÊPOUILLEMENT:簡素、シンプル
AIR:自由、生命力
正:疲労、突然の病気、驚き、秘密の発覚、疑いの解消、欠乏感
逆:素晴らしい洞察力、明晰、啓示、一目惚れ、策略をさける

5. LHOMME ET LES QUADRUPÊDES(Person):人(と四足歩行の動物)
VOYAGE:旅、航海
TERRE:地球、土地
正:好機、報酬、利益、旅行
逆:困難、不完全さ、敵意

6. LES ASTRES(STARS):星
LA NUIT:夜
LE JOUR:昼
LE JOUR:昼
正:新しい興味、素晴らしいアイディア、改善
逆:不利な瞬間、明晰さの喪失、不安

7. LES OISEAUX ET LES POISSONS(BIRDS AND FISH):鳥と魚
APPUI:援助
PROTECTION:守護
正:保護、サポート、法的判断
逆:和解、効果的な支援

8. REPOS(REST):休息
ETTEILLA:エッティラ18世紀フランスの占い師
LA QUESTIONNANTE:質問者
正:直感、プラトニックな愛、慎重さ
逆:誘惑、隠れた危険、利己主義、偏見

9. LA JUSTICE(JUSTICE):正義
LA JUSTICE:公正
LE LÊGISTE:法律家
正:内面のバランス、再発見された平和、論理
逆:宗派主義、不誠実、法的罠

10. LA TEMPÊRANCE(TEMPERANCE):節制
LA TEMPÊRANCE:禁酒
LE PRÊTRE:司祭
正:中庸、単純さ、順応性、回復
逆:過剰、嫌い、疲労

11. LA FORCE(STRENGTH):強さ
LA FORCE:力
LE SOUVERAIN:権威
正:勇気、粘り強さ、仕事、道徳
逆:過度の確信、衝動性、強い敵

12. LA PRUDENCE(PRUDENCE):慎重
LA PRUDENCE:警戒
LE PEUPLE:民衆
正:沈黙、孤独な探索、用心深さ、いらだち
逆:誤った信頼、過度の利他主義

13. LE GRAND PRÊTRE(THE HIEROPHANT):教皇
MARIAGE:結婚
UNION:統合
正:誓い、契約、結合、重要な決定
逆:故障、遅延、不貞

14. LE DIABLE(Force Majeure):悪魔(不可抗力)
FORCE MAJEURE:予測不能、自然災害
FORCE MINEURE:力や影響力が小さい
正:本能、相互興奮、魅力
逆:不道徳、精神錯乱、倒錯

15. LE MAGICIEN OU LE BATELEUR(MAGICIANE):魔術師
MALADIE:病
正:危険な愛、運の勝負、危険な友情
逆:自慢、インチキ、不正行為の発覚

16. LE JUGEMENT DERNIER(JUDGEMENT):最後の審判
LE JUGEMENT:審判
正:名声、回復、好意的な判決
逆:敗北、不正、後悔、非難

17. LA MORT(Death):死
MORTALITÊ:儚さ、終わり
NÊANT:虚無
正:根本的な変化、サイクルの終わり
逆:停滞、無感覚、深刻な病気

18. LE CAPUCIN(Hermit):カプチン修道士(隠者)
TRAITRE:裏切者、卑怯者
FAUX DÊVOT:偽善者
正:禁欲、反省、準備、経験
逆:裏切り、孤独、実りのない行動

19. LE TEMPLE FOUDROYÊ(Temple):雷に打たれた塔(寺院)
MISÊRE:悲惨、困難
PRISON:監獄、囚われ
正:商品の損失、事故、信念の崩壊
逆:処罰、追放、失敗、貧困

20. LA ROUE DE FORTUNE(Wheel):運命の輪
FORTUNE:幸運、財産
AUGMENTATION:成長、発展
正:つかの間の利益、素晴らしいチャンス、健全な出会い
逆:不安定さ、周期的な病気

21. LE DESPOTE AFRICAN(CARRIAGE):アフリカの暴君
DISSENSION:対立、分裂
ARROGANCE:傲慢、尊大
ARROGANCE:傲慢、尊大
正:暴君的な政府、動かすことのできない地位
逆:野心、管理能力、独立
おしまい
尚、小アルカナ編は、こちらから