本日の『楽書記』はスピリチュアル本の中でも
大至急思春期中の方におススメしたい「アルケミスト」のご紹介。
初読みは中学生までに済ませたかったと思う本。1947年生まれの作詞家で小説家のブラジル人が1988年に発表した「アルケミスト 夢を旅した少年」。20歳を過ぎて出逢った私も楽しめたけれど、心の穢れがまだ磨けば落ちる15歳頃までに読めばもっと多くを受け取れたのではないかと言う気がしてならない。何か叶えたいこと目標が定まった時、逆に、潜伏期間へ突入すべてに興味が持てズ引きこもりたい時に読む。つまるトコロどんな心の状態にも対応してくれる貴重な一冊。宗教色があるにはあるけど根本的なところにピントが合ってるので身構えずに読める。
にしても、いつの間に女子向き装丁になったのか、元祖は左の少年ver.だったのだけれど、今はKindle版にしか使われていない。ただ、本の内容は元祖の方がより近い、ので色々と寂しさがある。
「アルケミスト」からのフレーズ(ページ抜粋)
「その力は否定的なもののように見えるが、実際は、運命を、どのように実現すべきかおまえに示してくれる。そしておまえの魂と意志を準備させる。この地上には一つの偉大な真実があるからだ。つまり、おまえが誰であろうと、何をしていようと、おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。それが地球におけるおまえの使命なのだよ」
「誰でも若い時は自分の運命を知っているものなのだ。まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。ところが、時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ」─ 28ページ
「結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ」─ 30ページ
「このキャンディ売りは、将来旅に出たり、店の主人の娘と結婚するために、キャンディを作っているのではない。彼はそうしたいからやっているのだ」─ 52ページ
「私たちは持っているもの、それが命であれ、所有物であれ、土地であれ、それを失うことを恐れています。しかし、自分の人生の物語と世界の歴史が、同じ者の手によって書かれていると知った時そんな恐れは消えてしまうのです」─ 91ページ
少年は自分の国の古いことわざを思い出した。それは、夜明けの直前に、最も暗い時間がくる、というものだった。─ 157ページ
一人の少年が旅をしながら、キラキラと散りばめられたこれらの言葉を一つずつ集めながら気づいていく。これだけ多くを説きながら一つの物語としても纏まっているという奇跡的な本。一つの生が誕生し終わるまでに必要なすべてがココに記されてる気さえする。と、「アルケミスト」に感動しまくったので、続けて読んでみたのが「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」。だったけれど「アルケミスト」の残像が残ったままだったのもあってか、印象薄め。
今度はそんな消化不良を解消すべく、さらに彼の最初の作品「星の巡礼」を読む。キリスト巡礼の旅 in スペインを書いた作品で読んでる間ずっと巡礼路を歩いてみたくなるほど楽しめた。のでしつこく「マクトゥーブ賢者の教え」も読む、面白い。ただ内容が「アルケミスト」とさほど変わらない。と言う訳で1冊に絞るとしたら、シンプルでファンタジック、教本くささがなく何度も読み返せる「アルケミスト」がベストと言う結論。
とか言いながら「マクトゥーブ」も素敵なフレーズがいっぱいなので、抜粋。
他人がどう思おうと関係ない――他人など、いずれにせよ、なにかしらを思うのだから。だから、気負うことなどない。あなたの周りで動く宇宙は、そのままにしておけばいい。自分でも驚くような自分になる喜びを見つけよう。─ 37ページ
一度道を選べば、進まなかった道に、思いを残さず前へと歩まねばならないのだ。─ 88ページ
残るのは大事なものばかり。不要なものは消えていく。だがしかし、人はそれぞれ自分自身の内に残されたもののみを判断すべきである。われわれは隣人の夢の善し悪しを判断する立場にないのだから。─ 99ページ
自分は死ぬのだ。だとすれば、今、何をすべきだろうか?─ 103ページ
われわれはみな、何らかの芸術作品を創るよう運命づけられている。
その作品とはわれわれの人生の中心点であり、幸福にとってもこのうえなく重要なものである。どれほど自分をごまかそうとしても、われわれにはそのことがわかっている。─ 118ページ
一つひとつの行動は、それぞれが独自のものである。何をするにも行動が習慣にのっとられてはいけない。─ 126ページ
書く、という単純な行為は考えをまとめ、自分をとりまくものがなんなのか、はっきりさせる。一枚の紙と一本のペンが奇跡を生む――苦しみを癒し、夢を明確にし、失われた希望を取り戻したり与えたりする。
言葉には力があるのだ。─ 164ページ
人間が発明した、破壊力を持ったありとあらゆる武器の中で、もっとも恐ろしいのは――そしてもっとも卑怯なのは――言葉である。(中略)あなたはこの武器をだれかに使っていないか、よく考えてみなさい。この武器を自分自身に使ってはいないだろうか。どちらの場合も、あってはならないことだと心に留めておくべきだ。─ 178ページ